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2009.11.05

「犬と猫と人間と」を見た

私の周りにも犬を飼っている人はたくさんいる。
どの犬も皆んな幸せそうだ。

でも…
世の中そんな幸せな犬や猫たちだけではない、という現実を描いた「犬と猫と人間と -Dogs,Cats&Humans-」を見た。
この映画はそんな厳しい現実に置かれた犬や猫を淡々と、しかし冷徹に突きつける。

現在、日本では年間70〜80万頭の犬が新しい家族を得るのと同時に、10万頭の犬が「殺処分」される。
殺処分とはその名の通り行政が犬を殺すこと。

映画では各自治体に殺処分の取材、撮影を依頼するが、どこもNG。
映像が公開されると市民から「かわいそう!」との非難が殺到するからだ。
まあね、気持ちはわかる。そりゃ犬が炭酸ガスで窒息死するシーンを見たら誰でもかわいそう!と思う。
でも、それが現実。街をうろついたり、「これいらない」といって持ち込まれた犬を助け、養う余裕を、行政は持ち合わせていない。その余裕を持ち、助けることができるのは「犬を飼いたい」と思っている70〜80万の「飼い主」なのである。

殺処分を行う動物愛護センターの所長は獣医師資格を持つ。
映画では所長に「動物は好きですか?」と質問をする。
動物を助けるべき獣医師が犬や猫を殺すことをどう思うか、とも。
酷な質問だと思ったが、所長はひるまずに答える。
「動物が好きな我々だからこそ、犬や猫たちの最後を見る責任がある」と。
「これで動物が嫌いな人が殺すんだったらそれこそ犬や猫たちは浮かばれない」

驚いたのは、ペット先進国と言われるイギリスの話。
イギリスでは殺処分頭数が日本の1/15と非常に少ないと聞いていたが、それでも年間数万頭もの犬や猫が保護団体やペットシェルターに引き取られる。
引き取られた犬や猫のほとんどが新しい飼い主のもとに旅立って行くので、そこはずいぶん恵まれているとは感じたが、そんなイギリスでも捨てられるペットはたくさんいるという事実に驚いた。

映画は、しかし悲壮感漂う動物愛護センターやただ死にに行く動物たちだけを取り上げてるだけではない。
新しい飼い主を待つ犬も出てくる。
神奈川県動物愛護協会で保護されている「しろえもん」という雑種犬。
非常に活発でやんちゃで、興奮すると手がつけられなくなるのでもらい手がいないかわいそうな犬なのだが、やんちゃっぷりが馬鹿っぽくて(失礼!)笑ってしまう。
さまざまなドッグトレーナーがしつけをするのだが、ちゃんとしつけられないと貰い手が現れないので、「馬鹿!ちゃんと言うこときかないと一生愛護協会から出られないよ!」なんて応援してしまう。
他にもかつて「崖っぷち犬」で脚光を浴びた徳島県動物愛護管理センターで、マスコミの脚光を浴びる崖っぷち犬の影で新たな飼い主を見つけようと奮闘する子どもたちや山梨の「犬屋敷」でそれこそ自分を犠牲にして捨てられた犬を世話する人等々「救い」もたくさん出てくる。

冒頭、日本はペット大国だけど、ペット天国なの?と問いかけるシーンから始まるこの映画。
ちょっととぼけた風の監督自身のナレーションと、演技ではなく自分自身の姿で犬や猫の置かれた現実を訴えかけるこの映画こそ、ペットを飼っている人、飼おうとしている人が見るべき映画だと思った。

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コメント

知ってる。これ。
でも、たとえ偽善者と言われようと…

無理。絶対。

投稿: 青軍 | 2009.11.05 19:19

>青軍さん
見る前は「泣いちゃうんだろうな~」なんて思ってたんですが、意に反して涙は一滴も落ちませんでした。
お涙頂戴の構成ではないんですよね。そこに監督の意思を感じました。
そういう意味では、あまたある「動物映画」のあざとさを感じてしまったり(笑)

投稿: ごつ | 2009.11.06 09:51

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» 映画:犬と猫と人間と [よしなしごと]
 全国で20館ちょっとの映画館しか上映していない単館系犬と猫と人間とを観てきました。 [続きを読む]

受信: 2009.11.24 02:20

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